知っておきたいお墓の話⑧ ~墓石にはどんな石種が使われているのですか?~
祈祷の対象としての墓標には、美しい石肌と石目、気品のある雰囲気、堅牢で美しく、吸水性が低く、耐久性のある石が選ばれます。
我が国では、平安時代末頃に石塔が現れるようになり、その石種に通称 「御影石」と呼ばれる花崗岩岩が使われてきました。
花崗岩は、地下でゆっくり冷えて固まった石で、密度が高く硬質で艶持ちのする石材として重宝されてきました。
現在では、花崗岩の長所を求めて世界各地から墓石用石材として輸入しており、日本国内のほとんどの墓地の墓石に使われています。
ちなみに、「御影石」とは日本だけの呼び名で、神戸市の御影地区で産出される花崗岩(白御影)をそう呼んだそうです。
その後は、他の地方で産出される花崗岩も御影石と呼んでいます。
「黒御影」石は、これも通称で、この石は花崗岩ではなく、正しくは斑糲岩(はんれいがん)で深成岩のー種です。
鉄分が多く、重く、そして硬い石です。磨くほど美しく仕上がります。そして高級石材です。
ただ、鉄分の多少なのか、変化の大小があり、そのため、高価なものから低価格のものまであります。外見上では、その見極めが難しい石です。
その他、赤、緑、青、灰色、桜色等、色とりどりの御影石があります。